ブルーム　日本人墓地　Broome Japanese Cemetery　西オーストラリア州　Western Australia

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Broome Japanese Cemetery
ブルーム日本人墓地

評価（１０段階）

移動容易度	★★★★★★★☆☆☆
お勧め度	★★☆☆☆☆☆☆☆☆
必要時間	1時間
○「良い所」	日本人が関わってきた歴史などを実感できる。
×「悪い所」	興味が無ければ行っても仕方がない。

ここは、特に観光地ではありません（したがって右評価は低いです。）ですが、日本人にとってゆかりがある場所としてご紹介したいと思います。

日本人墓地は、ブルームの町の中心部から車で約１０分ほど西側に位置しています。その場所には、日本人のお墓のみではなく、その他の国の方のお墓などもたくさんある墓地の一角が、日本人で固まっているという形になっています。

裏には駐車場もあり、到着すると、まさしく日本にある墓地と変わりは無いですが、こんな遠くにたくさんの日本人が葬られていることに驚いてしまいます。特に墓石は１００年以上前のものも有り、ブルームの歴史を物語る貴重な文化遺産になっています。

ブルームと日本は、深い関わりを持っており、現在日本人墓地に７０７基９１９名の潜水夫の慰霊があります。ほとんどの方は若くして亡くなられています。もちろん潜水病以外にもサイクロンに襲われ亡くなったという記録も残っており、１９０８年には４０名、１８８７年と１９３５年にはそれぞれ１４０名が命を落としています。

■なぜブルームに日本人墓地があるのか？
日本人が、ブルームに移り住み始めたのは１８８０年に入ってのことで、そのほとんどが真珠採取の産業に携わった方々でした。もともと１８７０年代にオーストラリア大陸の北部や西部で真珠採りをしていた日本人潜水夫たちの技術が優れていた事がきっかけで、重宝され、たくさんの出稼ぎ日本人潜水夫が増えました。

オーストラリアで真珠産業がはじまったのもその頃で、当初はブルームより南の地域で真珠採りを行なっていました。その後、１８８０年代にブルーム近海でたくさんの真珠貝が生息している事実が明らかになり、いよいよブルームが真珠産業の拠点となりました。と同時にたくさんの日本人潜水夫も移り住みました。

１９０１年にブルームでは、真珠産業に携わっている日本人の数は２０００人を越え、潜水夫として働いていた日本人は和歌山県民が大半でした。とにかく、技術が優れ、よく働いた日本人は尊敬され重宝されましたが、それが災いし潜水病やその他の水難事故によりたくさんの潜水夫がこの地でなくなりました（日本人を含め合計１０００人以上が亡くなっています）。

■潜水病とは？
　潜水病はケーソン病とも呼ばれ長時間気圧の高い場所（海底など）で作業をしている際に、血中に空気中の窒素が溶け込みます。その後、急に通常の気圧に戻ると溶け込んでいた窒素が気泡となって血管を塞ぎ起こる疾患です。わかり易く説明すると、炭酸飲料やシャンパンなどの栓を開けると一気に、無かったはずの気泡が現れるのと同じです。症状は、めまいや筋肉、関節などの痛み、四肢の麻痺など。最悪の場合は死に至ります。

■ちなみに
この日本人墓地は、以前、手入れする人がおらず、荒れていました。日本船舶復興協会会長の笹川良一氏の寄付金や、元参議院議員の玉置和郎氏の修復計画推進によって１９８３年に綺麗に整備されました。

■さらに
２００６年９月には、日本人墓地の墓石１３３基が倒されたり割られる事件が起こっています。行為を行なったのは少年たちで１０歳から１２歳の３人が少年裁判所法廷で事実を認めました。事件には８歳の少年も加わっていたそうです。

異国の地で若くして亡くなった日本人を思うと胸が締め付けられる思いがしてしまいます。

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