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 大学留学

当時すでに在豪5年だったにもかかわらず、依然日常会話もぎこちなかった留学花子でしたが、新卒者技術独立永住権取得の為にやむを得ず大学留学することになりました。

通常、留学生がオーストラリアの大学に入学する為の条件としては、IELTSという英語検定のリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4カテゴリーでそれぞれ6 又は6.5以上取得(もしくはTOEICなどでそれ相応のレベルを取得)しなければなりません。

でも、当時の花子の英語力では試験で合格レベルをクリアするなんて到底無理だということは明らかでした。なので、大学と提携している英語学校からのパスウェイを利用して入学することにしたのでした。


まず、英語学校でレベル判断用のIELTS形式での小テストを受け、大学に入学するのに必要な英語が身に付くまでに要する期間を判断してもらいました。と言っても、これが案外いいかげんで、『大学へはいつ頃から入学を希望しますか?』と聞かれて、『この英語力では無謀だとは思うのですが、できれば来タームから』と言うと、それに合わせて次の大学入学日の前の週までのいっぱいいっぱいを語学留学必要期間としますというかんじでした。ということで14週間の語学留学を言い渡されました。


■ 2度目の語学留学 ■

語学学校はワーホリの時に3ヶ月間通ったことがあったので、これが花子にとっては、2度目の語学留学ということになります。ただ今回は、漠然と英語が身に付いたらいいなぁといった感じで通っていたワーホリの時とは違います。14週間通って、その時点で大学入学レベル(IELTS6 or 6.5相当)の英語力がまだ身についていないと英語学校から判断されれば、大学への推薦はしてもらえないのです。その場合は、諦めるか、次のタームの入学日までまた英語学校を延長しなければいけないということになります。

もちろん、私達には、そのようなお金の余裕も、時間の余裕もなかったので、なにがなんでも、この14週間で英語力を身につけなくてはと思っていました。 

学校では、5年もオーストラリアに居たというのに、周りの若い留学生やワーキングホリデーの子たちと依然変わらない英語力の自分に、情けなくなる毎日でした。ほんとに、私はこの5年間英語もろくに勉強せず、ただただ毎日、日系の会社に通って与えられた仕事をこなしていただけで、日本を出る前となんら変わらない生活をしていたんだなーと痛感しました。

文法は中学英語レベルですら危うい感じで、おまけに日本での大学受験勉強なるものをしていない私の単語力のなさは特にひどいものでした。

とにかく、自分なりに毎日必死で勉強して、予定通り14週間後なんとか卒業することができたのですが、今まで生きてきていっときに集中してこんなにも勉強した事はなかったなぁと、その時、すでにくたくたでした。



■ キャンパスライフ ■

たかが語学学校の段階で精根使い果たしてしまった感がある私でしたが、ホッと息つく暇も無く、金曜日に語学学校終了しその3日後、早速月曜日から大学での授業が始まりました。最初はまぁ、ゆっくりと慣れていってなんて考えていたのですが、始まるやいなや、勉強に追われることになり。。。 語学学校での『今まで生きてきて、いっときにこんなにも勉強したことはなかったなぁ』という思いがこんなにすぐに塗り替えられることになろうとは思ってもみませんでした。

日本で大学に行ったことのない私は、すでに30を越えていたものの、花のキャンパスライフなるものにあこがれがあり、楽しい事もいっぱいあるのでは?と少しは淡い期待も抱いていたのですが、実際は楽しんでいる余裕なんてこれっぽっちもありませんでした。

あらかじめ、周りからオーストラリアの大学は入るのは簡単だけど、入ってからが相当大変だと聞かされていたので、それ相当の覚悟はしていたものの、実際の大学での勉強量は私の想像をはるかに超えていたのです。

何が大変かって、内容が難しいとかそういうことではなく、それ以前の問題で、とにかく時間が足りなさすぎるということ。

コース案内には、勉強に費やす時間は1教科につき、毎週12時間は必要と書いてあるけれど、これはあくまでもオーストラリア人や英語を母国語とする生徒を前提とした数字なのです。

留学生の私にとっては、毎週1教科につき、スタディーガイドを読むだけでも2〜4時間、授業でカバーされる分の教科書を20〜40ページ読んで理解するのに6〜10時間、そして応用問題を解くのに3〜6時間といった感じになります。

それを1学期に4教科ということは、単純に計算して1週間に平均60時間は必要ということになります。毎週の授業についていくだけでもそれだけかかるのに、それに加えて、幾つものレポートや論文などの課題もそのあいまをぬってこなしていかなければならないのです。

ある程度、要所を押さえて要領よく勉強するというようなことができればよかったのですが、私にはそのような技量も無く、ただただ一つ一つこなしていくしかなくて、おまけにもともと何をするのも人一倍のろい私にとっては、いくら時間があっても足りませんでした。

どうも私はやりだしたら自分自身が満足いくまでとことんやらないと気がすまない性格なようなのですが、そもそもそんなのろまな私が全てを完璧にこなすなんて到底無理なのです。実際、自分で納得いくまで勉強するだけの時間もなくて、いつもモヤモヤしていました。

その為、在学中は異常なまでに 『あー、あれもしなきゃ。あそこもまだやってない。』 と、常に焦っていました。そんな自分で自分を追い込んでしまうような、全くもって余裕のない私の性格には、自分でもほんとにうんざりでしたが、こればっかりはどうにもなりませんでした。家事もおろそかになってしまうこともしばしばで、旦那の太郎にいろいろと協力してもらう日々でした。

終わってみて思うことは、とにかくホッとした!ということ。 在学中、『はぁー、もう勉強すんの嫌ぁーー×▲□!!うわぁーーー!!!』 と何度叫んだことか。。。 もう、勉強しなくていいんだぁー。課題に追われることも、テストを心配することもないんだなぁとしみじみ思う。 

振り返ってみれば、キャンパスライフをエンジョイするなんてこととは全く程遠く、来る日も来る日も勉強漬けだった日々。もう少し心に余裕を持って楽しむべきだったなぁなんて思ったりもしますが、まぁ、それが不器用な私のキャンパスライフ。 入学前は大学留学なんて私にできるのかな?って思っていたけど、本気で一生懸命やれば、なんとかなるもんなんだなぁと思いました。 本当に大変だったけど、在学中いろんな国の友達もできた。今となってはこのような経験ができたことを心から感謝しているし、一生忘れないだろうと思う。


- 著者 留学花子 -







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